あおさぎの嫗(おうな)に出会う

じゃらん爺 日常爺

浅野川にかかるひなびた橋での出来事です。
いつもは自転車で車道を通るのですが、何を思ってか今回は狭い歩道に進入しました。
五メートルほど進んだころ、前方からおばあさんが手押し車で進入してきます。
自転車を停め、狭い歩道だがおばあさんと交差するかそれともバックして車道に戻るか考えようとしたとき、思いもかけないことが起こりました。

突然、大きな鳥が私の後ろから頭スレスレに飛んできて、目の前の橋の欄干に止まりました。150428-047
ただ呆然として鳥をみていると、おばあさんが何やら独り言をつぶやきながら、こちらに近づいてきます。

私とおばあさんが三メートルほどの距離になったとき、急に鳥が二人の間に割り込んで歩道に降りてきました。

150428-049私の驚きは尋常ではありません。
ところが、おばあさんはいたって冷静で、「邪魔したらだめやよ。・・・・・・」
何やら鳥に話しかけています。その様子を見て、私も鳥とおばあさんのただならぬ関係を察知しました。

鳥を間に挟んだまま、五分ほど不思議な出来事の顛末を、おばあさんに話して150428-050もらいました。

その間も鳥はピクリともしません。全くの静止画状態です。でも横目でしっかりと私を監視しています。

おばあさんの話では、この子たちはアオサギで八歳になるそうです。全部で十三羽います。浅野川の洪水があったのち川底にコンクリートのブロックを敷き詰めました。150428-051その工事中鳥たちの餌がいなくなり、死にかけたそうです。毎日生魚を与えるのに苦労したようです。練り物は食べません。

大変あたまの良い鳥で、どんなに変装しても見分けるし、言葉も理解するそうです。
「上に上がれ」というと、欄干に止まりました。150428-056

欄干の鳥の視線を追ってみると、その先には三羽の仲間が横目でこちらを見ています。

私はゆっくりと自転車をバックさせ車道に出ると、おばあさんに「良い物を見せてもらった。ありがとう」と言って別れた。

ペダルを漕ぎながら、おばあさんとアオサギは「黄門さまと風車の弥七」みたいな仲だなと勝手に解釈した。
おばあさんに危険が迫ると、どこからともなくサッと現れる。
世が世なら、おばあさんは一流のシャーマンになれただろう。
平成の世の中に、弥生時代の暮らしを見たような不思議な感覚だった。

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